火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第34号 令和6年4月14日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島では、火山活動が高まっているため、新岳及び古岳火口周辺に おいて噴火が発生する可能性があります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、4月に入り主に古岳火口付近の浅いところを震源とする 火山性地震が多い状態で経過しており、振幅のやや大きな火山性地震も時折 発生しています。昨日(13日)は24回、本日(14日)は15時までに 24回(速報値)発生しています。 本村西監視カメラによる観測では、本日、新岳火口では白色の噴煙が最高 で火口縁上90mまで上がりました。古岳火口で噴煙は確認されませんでし た。 東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁 が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、2 024年1月以降少ない状態で推移していましたが、本日は300トンと増 加し、やや多い状態でした。300トン以上を観測したのは2023年10 月29日以来です。 GNSS連続観測では2023年6月下旬頃から古岳付近の膨張を示唆す る変動が観測されていましたが、11月頃から停滞しています。 口永良部島では火山活動が高まっていますので、新岳火口及び古岳火口か ら概ね2kmの範囲、及び向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海 岸までの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口及び古岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区か ら新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してく ださい。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、15日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。