火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第26号 令和6年3月27日14時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 口永良部島では、火山活動に低下傾向が認められますが、引き続き新岳火 口及び古岳火口の周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性がありま す。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、古岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震が2 023年6月以降増加し、その後増減を繰り返しながら多い状態が続いてい ましたが、1月中旬頃から減少しています。新岳火口付近の火山性地震は、 少ない状態となっています。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2023年7月以降増加し、8月か ら9月にはさらに増加しましたが、その後は次第に減少しています。 GNSS連続観測では、2023年6月下旬頃から古岳付近の膨張を示唆 する変動が観測されていましたが、11月頃から停滞しています。 以上のことから、口永良部島では新岳火口及び古岳火口から1kmを超え 、また西側では新岳火口から2kmを超えて影響を及ぼす噴火が発生する可 能性は低くなったと判断し、本日(27日)14時00分に噴火警戒レベル を3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。 一方、口永良部島では火口付近の浅いところでやや活発な地震活動が継続 しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量や古岳の地熱活動は2023年 6月からの活動以前の状態より高まった状態で推移しています。 これらのことから、引き続き新岳火口及び古岳火口の周辺に影響を及ぼす 程度の噴火が発生するおそれがあります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口及び古岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、西側は新岳火 口から概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。