火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第124号 令和5年12月11日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 12月8日から11日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南 岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な 火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 桜島では、噴火活動が続いています。 南岳山頂火口では、噴火が3回発生し、このうち2回が爆発でした。噴煙 は最高で火口縁上1800mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大き な噴石は最大で9合目(南岳山頂火口から約500m)まで達しました。ま た、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 昭和火口では、噴火及び火映は観測されていません。 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま せん。 7日(期間外)に実施した現地調査では、南岳南東側山腹や昭和火口近傍 で引き続き地熱域を確認しました。 8日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ たり2900トン(前回11月30日、4200トン)と多い状態でした。 GNSS連続観測では、桜島島内の一部の基線で2023年1月頃から山 体膨張に伴うとみられるわずかな伸びが認められていましたが、4月頃から 停滞しています。また、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)を挟む基線では、長 期にわたり姶良カルデラの地下深部の膨張を示す緩やかな伸びがみられてい ます。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態 であることから、南岳山頂火口や昭和火口において今後も噴火活動が継続す ると考えられます。今後の火山情報に注意してください。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は 速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 12月 8日 9回 0回 9日 18回 0回 10日 16回 2回 11日15時まで 18回 0回 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため 注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生 する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、15日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。