火山名 浅間山 火山の状況に関する解説情報 第90号
令和5年12月11日16時00分 気象庁

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 12月8日から11日15時までの浅間山の火山活動状況についてお知ら
せします。引き続き、山頂火口から概ね2kmの範囲では、大きな噴石や火
砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 今期間、火山性地震の日回数は、8日1回、9日0回、10日1回、11
日15時までに0回(速報値)でした。
 8日に陸上自衛隊の協力により実施した上空からの観測では、前回(6月
6日)の観測と比べて、噴気孔の位置や地形等に変化は見られず、火口底や
火口周辺に新たな噴出物の形跡は認められませんでした。引き続き、火口底
中央部の火孔付近で温度の高いところがみられました。
 火山性地震は、7月下旬以降、概ね少ない状態で経過しています。また1
1月頃より、山体の西側での膨張を示すと考えられるわずかな地殻変動は停
滞しています。火山ガス(二酸化硫黄)放出量は減少傾向にありましたが、
11月下旬以降、1日あたり500トン前後で推移しています。
 引き続き、山頂火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する
可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石や火砕流に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。
 噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、15日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。