火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第32号
令和5年12月6日11時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>
 硫黄山火口周辺に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなりました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線において、2023年5月頃か
ら硫黄山の山体浅部における膨張と考えられるわずかな伸びが認められまし
たが、10月頃から鈍化し11月頃から停滞しています。
 硫黄山火口付近の火山性微動は、7月8日以降発生しておらず、硫黄山付
近の浅いところを震源とする火山性地震は、少ない状態で経過しています。
 硫黄山周辺の傾斜計では、特段の変化はみられていません。
 11月20日から21日にかけて実施した現地調査においても、硫黄山の
南側の噴気地帯及び西側500m付近の噴気や地熱域の状況に特段の変化は
認められません。
 
 これらのことから、硫黄山火口周辺に影響を及ぼす噴火の可能性は低くな
ったと判断し、本日(6日)11時00分に噴火予報を発表し、噴火警戒レ
ベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げま
した。
 
 なお、硫黄山火口内では活発な噴気活動が継続しているため、引き続き注
意が必要です。

2.防災上の警戒事項等
 現在活発な噴気活動がみられている硫黄山火口内、及び硫黄山の西側50
0mの噴気地帯から概ね100mの範囲では、熱水・熱泥等が飛散する可能
性がありますので注意してください。また、火山ガスにも注意が必要です。
地元自治体等が行う立ち入り規制に従うとともに、火口周辺や噴気孔の近く
にはとどまらないでください。

 噴火警報の解除に伴い、今回の一連の火山の状況に関する解説情報の発表
はこれで終了します。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。