火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第82号
令和5年8月7日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 8月4日から7日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山
頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕
流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、噴火が2回発生し、噴煙は最高で火口縁上2300mまで
上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で5合目(昭和火口
より約800m)まで達しました。
 
 南岳山頂火口では、噴火は観測されていません。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生
しました。
 
 GNSS連続観測では、桜島島内の一部の基線で2023年1月頃から山
体膨張に伴うとみられるわずかな伸びが認められていましたが、4月頃から
停滞しています。また、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)を挟む基線では、長
期にわたり姶良カルデラの地下深部の膨張を示す緩やかな伸びがみられてい
ます。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ
たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態
であることから、今後南岳山頂火口や昭和火口において噴火活動が再び活発
化する可能性があると考えられます。今後の火山情報に注意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は
速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震  爆発
  8月 4日       28回  0回
     5日        8回  0回
     6日        5回  0回
     7日15時まで   3回  0回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。