火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第31号 令和5年7月21日16時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 7月18日から21日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせしま す。火山活動が高まった状態であることから、新岳及び古岳の火口周辺にお いて噴火が発生する可能性があります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、古岳付近の浅いところを震源とする火山性地震は、1日 あたり概ね100回程度と多い状態が続いています。振幅がやや大きい地震 も時々発生しています。 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は2021年6月以降、概 ね50トンと少ない状態でしたが、昨日(20日)の観測では100トンと やや多い状態でした。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院 理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるもの です。 19日から本日(21日)にかけて実施した現地調査では引き続き、古岳 火口東側及び新岳火口西側割れ目付近に地熱域を確認しましたが、特段の変 化は認められませんでした。また、島内の東側で実施した現地調査では、古 岳火口で火口縁上をわずかに超える白色の噴煙を観測しました。 本村西監視カメラによる観測では期間中、古岳火口で噴煙は観測されませ んでした。新岳火口では白色の噴煙が最高で火口縁上100mまで上がるの を観測しました。 口永良部島では、火山性地震が多い状態が続いており、火山活動が高まっ た状態であることから、新岳及び古岳の火口周辺において噴火が発生する可 能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口及び古岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区か ら新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してく ださい。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、24日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。