火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第23号
令和5年7月11日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、古岳付近の浅いところを震源とする火山性地震がさらに
増加しており、新岳に加え、古岳においても噴火の可能性があります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、古岳付近の浅いところを震源とする火山性地震が6月下
旬頃から多い状態となっていましたが、9日からさらに増加しています。火
山性地震は、昨日(10日)は319回、本日(11日)15時まで176
回(ともに速報値)発生しています。
 また、火山性地震の振幅もやや大きくなっており、FDKL(京)観測点
上下動成分で100マイクロメートル毎秒を超える地震も時々発生するよう
になっています。
 
 このことから、新岳に加え、古岳においても噴火の可能性があります。
 
 なお、本日の噴煙の状況は雲のため不明です。
 
 GNSS連続観測では、6月下旬頃から一部の基線において山体の膨張を
示すわずかな伸びの変化が認められている可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口及び古岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い
て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区か
ら新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してく
ださい。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、12日(水)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。