火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第18号
令和5年7月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月30日から7月3日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせし
ます。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 7月1日に実施した現地調査では、新岳火口西側割れ目付近の地熱域に特
段の変化は認められませんでした。また、古岳山頂部分も確認できる範囲で
は特段の変化は認められませんでした。

 火山性地震は多い状態で経過しています。火山性地震は山体の浅いところ
で発生しており、震源は主に古岳付近で、新岳火口付近でも時折発生してい
ます。

 国土地理院によると、6月30日に観測された「だいち2号」の衛星SA
Rデータの解析から、古岳火口周辺の数百mの範囲で衛星に近づく変動が認
められました。

 GNSS連続観測では、特段の変化は認められていません。

 口永良部島では火山活動が高まっていますので、新岳火口から概ね2km
の範囲、及び向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲
に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、7日(金)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。