火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第69号
令和5年7月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 桜島では、山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されています。南岳山
頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕
流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、6月27日12時頃から島内に設置している傾斜計及び伸縮計
で、山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されています。なお、30日1
4時頃からわずかな収縮傾向が認められましたが、昨日(1日)04時頃か
ら再び山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されています。
 
 この山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、2018年6
月16日の南岳山頂火口における噴火のように、多量の降灰及び小規模な火
砕流を伴う可能性があります。また、やや規模の大きな爆発が発生し、火口
から1kmを超えて大きな噴石が飛散する可能性もあります。今後の情報に
注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、3日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。