火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第27号
令和5年3月23日11時10分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くな
りました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、2月19日以降、火山性微動の振幅は中岳西山腹観測点南北
動成分の1分間平均振幅で2.5マイクロメートル毎秒を下回り、現在は概
ね0.5マイクロメートル毎秒以下と小さな状態で推移しています。
 
 3月20日に実施した現地調査では、中岳第一火口内で白色の噴煙を確認
しました。湯だまりの状況は火口内の噴煙のため確認できませんでした。ま
た、3月22日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の
1日あたりの放出量は500トンで、1月18日以降は1000トン未満と
少ない状態で経過しています。
 
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線において、2023年1月頃から縮みの傾向がみられています
。
 
 火山性微動の振幅が小さくなり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も少な
い状態となっていることから、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を
及ぼす噴火の可能性は低くなったと判断し、本日(23日)11時00分に
噴火警報を解除しました。

2.防災上の警戒事項等
 火口内では、土砂や火山灰が噴出する可能性があります。また、火口付近
では火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
 
 噴火警報の解除に伴い、今回の一連の火山の状況に関する解説情報の発表
はこれで終了します。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。