火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第24号 令和5年2月24日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 2月20日から24日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南 岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な 火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 桜島では、活発な噴火活動が続いています。 南岳山頂火口では、噴火が6回発生し、このうち3回が爆発でした。噴煙 は最高で火口縁上1500mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石 は最大で7合目(南岳山頂火口より600mから900m)まで達しました 。 昭和火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。 南岳山頂火口及び昭和火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測 しました。 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま せん。 21日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測では 、昭和火口内の北側の火口壁から白色噴煙が上がっていることを確認しまし た。前回(2022年10月12日)の観測と比較し、昭和火口からの噴煙 の量は増えていました。南岳山頂火口とその周辺の状況に特段の変化は認め られませんでした。 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月14日頃から山体膨張を 示す緩やかな地殻変動が、引き続き観測されています。 GNSS連続観測では、2021年10月頃から、姶良カルデラ(鹿児島 湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びがみられていましたが、昨年( 2022年)3月頃から停滞しています。また、2023年1月頃から、桜 島島内の一部の基線で、山体の隆起・膨張に伴うと考えられるわずかな伸び が認められます。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態 で経過しています。また、山体膨張を示す緩やかな地殻変動が引き続き観測 されていることから、今後も噴火活動が継続すると考えられます。今後の火 山情報に注意してください。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は 速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 2月20日 6回 1回 21日 8回 2回 22日 5回 0回 23日 2回 0回 24日15時まで 2回 0回 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため 注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生 する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、27日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。