火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第22号 令和5年2月17日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 2月13日から17日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南 岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な 火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 桜島では、活発な噴火活動が続いています。 南岳山頂火口では、噴火が7回発生し、このうち4回が爆発でした。14 日14時48分の爆発では、噴煙は火口縁上2400mまで上がり、弾道を 描いて飛散する大きな噴石は6合目(南岳山頂火口より800mから110 0m)まで達しました。 14日に実施した現地調査では、桜島島内の鹿児島市有村町の有村溶岩展 望所付近(南岳山頂火口より南東側約3km)で、同日発生した南岳山頂火 口の噴火によると思われる最大約3cmの小さな噴石が落下していたことを 確認しました。 また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 昭和火口では、14日21時09分に噴火が発生しました。噴煙は火口縁 上1000mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石は6合目(昭和 火口より300mから500m)まで達しました。 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が時々 発生しました。 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月14日頃から山体膨張を 示す緩やかな地殻変動が、引き続き観測されています。 GNSS連続観測では、2021年10月頃から、姶良カルデラ(鹿児島 湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びがみられていましたが、昨年( 2022年)3月頃から停滞しています。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態 で経過しています。また、山体膨張を示す緩やかな地殻変動が引き続き観測 されていることから、今後も噴火活動が継続すると考えられます。今後の火 山情報に注意してください。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は 速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 2月13日 2回 0回 14日 14回 3回 15日 2回 0回 16日 2回 1回 17日15時まで 1回 0回 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため 注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生 する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。