火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第12号
令和5年1月30日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 阿蘇山では、本日(30日)12時20分頃から火山性微動の振幅が大き
な状態で推移しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、本日(30日)12時頃から次第に火山性微動の振幅が大き
くなり、12時20分頃から中岳西山腹観測点南北動成分の1分間平均振幅
が2.5マイクロメートル毎秒を超えました。その後も火山性微動の振幅は
大きな状態で、15時現在も2.5マイクロメートル毎秒を超えています。
 
 本日実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出
量は、800トン(前回(19日)800トン)と少ない状態でした。
 
 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。本日は15時までに、白
色の噴煙は最高で300mまで上がりました。
 
 傾斜計には、火山活動に伴う特段の変化はみられていません。
 
 GNSS連続観測では、2022年9月頃から広域の基線でみられていた
縮みの傾向は、10月頃から停滞しています。
 
 火山活動が高まっていますので、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影
響を及ぼす噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、31日(火)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。