火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第54号
令和4年8月19日11時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>
 新燃岳では火口周辺に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなりました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では火山活動が低下しています。
 GNSS連続観測では、霧島山を挟む基線において、2021年12月頃
から霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる伸びが認められ
ていましたが、7月頃から停滞しています。
 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、2022年3月27日に増加
し多い状態となりましたが、その後は増減を繰り返しながらも減少傾向とな
り、7月下旬以降は少ない状態で経過しています。
 新燃岳周辺の傾斜計では、山体膨張を示す変化はみられていません。
 新燃岳西側斜面の割れ目では、2022年1月31日以降噴気がみられて
おり、2月には割れ目付近において地熱域のわずかな拡大が認められました
が、その後の観測では噴気及び地熱域の状況に特段の変化は認められません
。
 
 これらのことから、新燃岳火口周辺に影響を及ぼす噴火の可能性は低くな
ったと判断し、本日(19日)11時00分に噴火予報を発表し、噴火警戒
レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げ
ました。

2.防災上の警戒事項等
 活火山であることから、新燃岳火口内、火口縁及び西側斜面の割れ目付近
では、火山灰の噴出や火山ガス等に注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 噴火警報の解除に伴い、今回の一連の火山の状況に関する解説情報の発表
はこれで終了します。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。