火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第53号
令和4年8月15日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 8月12日から15日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。
新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、2022年3月27日に増加
し多い状態となりましたが、その後は増減を繰り返しながらも減少傾向とな
り、7月下旬以降は少ない状態で経過しています。
 
 監視カメラによる観測では、新燃岳火口内及び西側斜面割れ目付近の噴気
の状況に特段の変化は認められません。
 
 GNSS連続観測では、昨年(2021年)12月頃から、霧島山を挟む
基線において、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる伸び
が認められましたが、7月頃から停滞しています。また、新燃岳を挟む一部
の基線においては、今年(2022年)4月以降わずかな伸びが認められま
したが、6月以降は停滞しています。

 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、少ない状態であり、火山活動
に低下傾向が認められます。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、19日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。