火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第33号
令和4年8月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 口永良部島では、火山性地震が一時的に増加しました。火山活動は高まっ
た状態となっています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山性地震が7月30日から31日にかけて増加し、多
い状態となりました。震源は新岳火口付近及び古岳付近の浅い所と推定され
ます。
 
 本日(2日)、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査
では新岳西側割れ目付近の状況に特段の変化は認められませんでした。また
、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、検出限界未満でした。
 
 本日の新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上200mまで上がりました。
 地殻変動観測では、特段の変化は認められていません。
 
 口永良部島では火山活動に高まりが認められ、火口周辺に影響を及ぼす程
度の噴火の可能性があります。
 
 火山性地震の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は
以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精査の結果、後日変
更することがあります。
 
            火山性地震  火山ガス(二酸化硫黄)
  7月29日        3回       -
    30日       24回       -
    31日       10回       -
  8月 1日        3回       -
     2日15時まで   0回     検出限界未満
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。観測条件が悪
く観測値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(金)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。