火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第42号 令和4年7月8日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 7月4日から8日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。新燃 岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな 噴石及び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震は増減を繰り返しながら、 やや多い状態で経過しています。 5日に大幡山付近(新燃岳の北東約1.5km)の浅いところを震源とす る振幅のやや大きな火山性地震が発生しましたが、この地震の発生前後で新 燃岳の火山活動に大きな変化は認められていません。 監視カメラによる観測では、新燃岳火口内及び西側斜面割れ目付近の噴気 の状況に特段の変化は認められません。また、昨日(7日)、新湯温泉付近 から実施した現地調査では、火口西側斜面の割れ目付近の噴気及び地熱域に 特段の変化は認められませんでした。 GNSS連続観測では、昨年(2021年)12月頃から、霧島山を挟む 基線において、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる伸び が認められます。なお、新燃岳を挟む一部の基線においては、今年(202 2年)4月以降わずかな伸びが認められましたが、6月以降は停滞していま す。 火山性地震がやや多い状態であり、火山活動がやや高まった状態となって います。今後の情報に注意してください。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。