火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第21号 令和4年4月15日11時10分 福岡管区気象台 **(見出し)** <噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続> 中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くな りました。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 阿蘇山では、火山性微動の振幅は2月27日15時40分頃に小さくなり 、中岳西山腹観測点南北動成分の1分間平均振幅で1マイクロメートル毎秒 程度と小さな状態で推移しています。 4月7日に実施した現地調査では、中岳第一火口内で白色の噴煙を確認し ました。湯だまりの量は中岳第一火口底の約4割で、湯だまりの南側で噴湯 を確認しました。また、山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫 黄)の1日あたりの放出量は、3月25日に1600トンと一時的に増加し ましたが、3月29日から4月12日に実施した4回の観測では800トン から1200トンと減少しました。 京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計(火口方向)では、2月27日頃か らの縮みの変化は4月頃から停滞しています。また、GNSS連続観測では 、2021年9月頃からみられていた草千里付近の深部にあるマグマだまり の膨張を示すと考えられる基線の伸びは、12月頃から停滞しています。 火山性微動の振幅が小さくなり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は20 21年10月の噴火以前よりも多い状態ですが、減少傾向となっていること から、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低 くなったと判断し、本日(15日)11時00分に噴火警報を解除しました 。 2.防災上の警戒事項等 火口内では、土砂や火山灰が噴出する可能性があります。また、火口付近 では火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 噴火警報の解除に伴い、今回の一連の火山の状況に関する解説情報の発表 はこれで終了します。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。