火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第20号
令和4年4月8日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 4月1日から8日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、火山性微動の振幅は中岳西山腹観測点南北動成分の1分間平
均振幅で1マイクロメートル毎秒程度と小さな状態で推移しています。
 
 中岳第一火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上800mまで上がりまし
た。
 
 山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放
出量は、4日800トン、昨日(7日)1100トン(前回3月29日、8
00トン)と、やや多い状態でした。
 
 昨日中岳第一火口付近で実施した現地調査では、火口底に灰色の湯だまり
を確認しました。湯だまりの量や表面温度(約70度)は、前回(3月24
日)と比べて大きな変化は認められませんでした。火口形状にも大きな変化
は認められませんでした。
 
 京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計では、2月27日から縮みの変動が
認められており、その変動は緩やかになりながら継続しています。
 
 GNSS連続観測では、2021年9月頃からみられていた草千里付近の
深部にあるマグマだまりの膨張を示すと考えられる基線の伸びは、12月頃
から停滞しています。
 
 阿蘇山では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が2021年10月の噴火
以前よりも多い状態が継続していることから、中岳第一火口から概ね1km
の範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、15日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。