火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第17号
令和4年3月21日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 口永良部島では、火山性地震の更なる増加は認められず、火山活動が更に
活発化する傾向は認められません。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、主に新岳火口付近の浅いところが震源と推定される火山
性地震が12日以降増加しましたが、17日以降は減少し、本日(21日)
15時までの24時間で3回と、更なる増加は認められません。
 
 新岳火口では、18日から本日15時までに、白色の噴煙が最高で火口縁
上300mまで上がりました。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、2021年6月以降、
概ね50トン以下と少ない状態で経過しています。
 
 GNSS連続観測では、2021年2月頃からみられていた基線の縮みは
5月頃より停滞しています。
 
 火山性地震の更なる増加は認められず、火山活動が更に活発化する傾向は
認められなくなりましたが、地震回数は依然としてやや多い状態であるため
、引き続き火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火の可能性があります。
 今後の火山活動に関する情報に注意してください。
 
 3月18日からの火山性地震の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日
あたりの放出量は以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精
査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震  火山ガス(二酸化硫黄)
  3月18日       14回       -
    19日        6回     検出限界未満
    20日        8回      40トン
    21日15時まで   0回      調査中
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。観測条件が悪
く観測値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。