火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第4号
令和4年1月28日16時20分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 1月21日から28日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、火山性微動の振幅は19日21時頃から21日07時頃にか
けて大きい状態となりましたが、その後は小さくなり、21日09時頃から
約1マイクロメートル毎秒で推移しています。
 
 中岳第一火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりまし
た。また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 25日及び27日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄
)の1日あたりの放出量は、それぞれ1500トンと前回(20日、280
0トン)より減少しましたが、引き続き2021年10月の噴火前(概ね5
00トン前後)よりも多い状態でした。
 
 GNSS連続観測では、2021年9月頃から草千里付近の深部にあるマ
グマだまりの膨張を示すと考えられる基線の伸びは、12月頃から停滞して
います。
 
 阿蘇山では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態で推移していま
す。また、GNSS連続観測では、深部にあるマグマだまりの膨張を示唆す
る変動は停滞していますが、マグマが蓄積した状態が継続しています。これ
らのことから、火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可
能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、2月4日(金)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。