火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第3号
令和4年1月21日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 1月14日から21日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島の新岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上400mまで上
がりました。
 
 17日に海上自衛隊第1航空群の協力によって実施した上空からの観測で
は、新岳火口から白色の噴煙が上がっていることを確認しました。火口周辺
の状況に特段の変化は認められませんでした。

 17日に実施した現地調査では、引き続き、新岳火口西側割れ目付近で地
熱域を確認しました。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、2021年6月以降、
概ね50トン以下と少ない状態で経過しています。今期間も少ない状態でし
た。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。震源は新岳火口付近及び古岳
付近の浅い所と推定されます。
 
 GNSS連続観測では、2021年2月頃からみられていた基線の縮みは
5月頃より停滞しています。
 
 新岳火口及び古岳付近での火山性地震は、1日数回程度発生しているなか
、一時的な増加がみられています。火山ガス(二酸化硫黄)の放出も少ない
ながら続いています。また、新岳火口西側割れ目付近では、地熱域が引き続
き観測されています。
 これらのことから、火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生するおそれ
があります。
 
 火山性地震の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は
以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精査の結果、後日変
更することがあります。
            火山性地震  火山ガス(二酸化硫黄)
  1月14日        0回       -
    15日        1回      50トン
    16日        0回       -
    17日        2回     検出限界未満
    18日        3回       -
    19日        0回     検出限界未満
    20日        0回       -
    21日15時まで   1回      調査中
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。観測条件が悪
く観測値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、28日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。