火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第1号
令和4年1月7日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 令和3年12月31日から令和4年1月7日15時までの口永良部島の活
動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島の新岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上300mまで上
がりました。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、2021年6月以降、
概ね50トン以下と少ない状態で経過しています。今期間も少ない状態でし
た。

 1月6日に実施した現地調査では、引き続き、新岳火口西側割れ目付近で
地熱域を確認しました。

 火山性地震は少ない状態で経過しています。震源は新岳火口付近及び古岳
付近の浅い所と推定されます。

 GNSS連続観測では、2021年2月頃からみられていた基線の縮みは
5月頃より停滞しています。
 
 新岳火口及び古岳付近での火山性地震は、1日数回程度発生しているなか
、一時的な増加がみられています。火山ガス(二酸化硫黄)の放出も少ない
ながら続いています。また、新岳火口西側割れ目付近では、地熱域が引き続
き観測されています。
 これらのことから、火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生するおそれ
があります。
 
 火山性地震の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は
以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精査の結果、後日変
更することがあります。
            火山性地震  火山ガス(二酸化硫黄)
 12月31日        3回       -
  1月 1日        5回     検出限界未満
     2日        3回      50トン
     3日        4回      50トン
     4日        4回      40トン
     5日        0回       -
     6日        0回       -
     7日15時まで   3回      調査中
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。観測条件が悪
く観測値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、14日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。