火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第2号
令和4年1月7日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 1月3日から7日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山
頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕
流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 南岳山頂火口では、本日(7日)01時43分に爆発が発生しました。噴
煙が火口縁上1300mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴
石は7合目(南岳山頂火口より600mから900m)まで達しました。同
火口で爆発が発生するのは昨年(2021年)10月8日以来です。
 また、同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測
しました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま
せん。

 4日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり800トン(前回 昨年12月20日、600トン)と特段の変化はあ
りませんでした。
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、昨年11月以降、山体膨張を
示すごくわずかな地殻変動が観測されていますが、同年12月に入り鈍化し
ています。
 
 GNSS連続観測では、昨年10月頃から、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部
)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められています。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ
たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量はやや多い状態
で経過しています。また、山体膨張を示すごくわずかな地殻変動が引き続き
観測されていることから、現在噴火活動がみられている南岳山頂火口を中心
に、噴火活動がさらに活発化する可能性がありますので、今後の火山情報に
注意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり
、精査の結果、後日変更することがあります。
 
             火山性地震  爆発
   1月 3日        1回  0回
      4日        5回  0回
      5日        2回  0回
      6日        7回  0回
      7日15時まで   1回  1回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、10日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。