火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第51号 令和3年12月31日16時00分 福岡管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 12月24日から31日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします 。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 火山性微動の振幅は、26日16時頃から大きくなりましたが、その後は 小さくなり、29日午後からはやや大きい状態で推移しています。中岳第一 火口浅部を震源とする振幅の小さな火山性地震は、概ね多い状態で経過して います。 阿蘇山の中岳第一火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上700mまで上 がりました。また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測し ました。 27日に気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査では、 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、2200トン(前回14 日、2300トン)と多い状態でした。 GNSS連続観測では、2021年9月頃から草千里付近の深部にあるマ グマだまりの膨張を示すと考えられる基線長の伸びが認められます。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は多い状態が継続しており、GNSS連 続観測では、深部にあるマグマだまりの膨張を示唆する変動がみられている ことから、今後も火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する 可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、令和4年1月7日(金)16時頃に 発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。