火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第79号 令和3年12月10日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 12月3日から10日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせしま す。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、火山性地震が概ね少ない状態で経過していますが、3日 は一時的に多い状態となりました。震源は新岳火口付近及び古岳付近の浅い 所と推定されます。 新岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上400mまで上がりました。 7日に実施した現地調査では、引き続き、新岳火口西側割れ目付近で地熱 域を確認しました。 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、5月以降、少ない状態 で経過しています。今期間は検出限界未満でした。 GNSS連続観測では、2月頃からみられていた基線の縮みは停滞してい ます。 新岳火口及び古岳付近での火山性地震は、1日数回程度発生しているなか 、一時的な増加がみられています。火山ガス(二酸化硫黄)の放出も少ない ながら続いています。また、新岳火口西側割れ目付近では、地熱域が引き続 き観測されています。 これらのことから、火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生するおそれ があります。 火山性地震の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は 以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精査の結果、後日変 更することがあります。 火山性地震 火山ガス(二酸化硫黄) 12月 3日 12回 - 4日 2回 - 5日 3回 検出限界未満 6日 2回 検出限界未満 7日 1回 検出限界未満 8日 2回 - 9日 6回 検出限界未満 10日15時まで 1回 検出限界未満 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。観測条件が悪 く観測値が得られなかった日は「-」としています。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2 kmの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、17日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。