火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第36号 令和3年11月3日16時00分 福岡管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 阿蘇山では、火山性微動の振幅が一時的に増大するなど不安定な状態とな っており、火山活動が引き続き活発な状態です。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 阿蘇山では、10月21日以降、噴火は発生していません。 中岳第一火口では、1日から本日(3日)15時までに、白色の噴煙が最 高で火口縁上800mまで上がりました。 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、多い状態が継続してい ます。 火山性微動の振幅は、10月30日15時頃から21時にかけて増大しま したが、その後は減少し小さい状態が続いています。10月25日11時頃 から増加していた中岳第一火口浅部を震源とする振幅の小さな火山性地震は 、10月30日頃から減少しています。 京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計では、中岳火口浅部の膨張とみられ る変動が10月29日頃から鈍化し、10月31日頃からは中岳火口浅部の 収縮とみられる変動が観測されています。 阿蘇山では、火山性微動の振幅が一時的に増大するなど不安定な状態です 。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多いことから、今後も火口から 概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(金)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。