火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第55号 令和3年7月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 6月28日から7月2日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。 南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模 な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 南岳山頂火口では、6月29日10時09分に噴火が発生し、噴煙が火口 縁上1000mまで上がり、雲に入りました。 また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま せん。 30日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日 あたり600トン(前回6月15日、1400トン)とやや少ない状態でし た。 島内に設置している傾斜計及び伸縮計による地殻変動観測では、特段の変 化は認められていません。 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張 を示す基線の伸びが引き続き認められています。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給、蓄 積が継続しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は中期的には概ね多い 状態が続いていることから、南岳山頂火口を中心に、噴火活動が再び活発化 する可能性があります。今後の火山情報に注意してください。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり 、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 6月28日 1回 0回 29日 2回 0回 30日 0回 0回 7月 1日 0回 0回 2日15時まで 0回 0回 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため 注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生 する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。