火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第11号
令和3年6月9日11時10分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くな
りました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、火山性微動の振幅が5月2日から9日にかけて大きくなりま
したが、10日以降、次第に小さくなり、18日以降は概ね小さい状態とな
っています。

 6月1日に実施した現地調査では火口内の状況に変化はありませんでした
。また、6月2日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出
量は少ない状態でした。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線で、2020年7月頃から続いている縮みの傾向に変化はあり
ませんでした。

 火山活動の高まりを示していた火山性微動の振幅は小さくなり、その他の
観測データにも変化はないことから、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に
影響を及ぼす噴火の可能性は低くなったと判断し、本日(9日)11時00
分に噴火警報を解除しました。

2.防災上の警戒事項等
 火口内では、土砂や火山灰が噴出する可能性があります。また、火口付近
では火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 噴火警報の解除に伴い、今回の一連の火山の状況に関する解説情報の発表
はこれで終了します。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。