火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第36号
令和3年4月30日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、火山性地震は多い状態で経過しています。新岳火口から
概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火
砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山性地震は多い状態で経過しています。震源は主に新
岳火口付近の浅い所と推定されます。
 火山性微動は観測されていません。
 
 新岳火口では、26日以降、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上
がりました。

 26日に実施した現地観測では、引き続き、新岳火口西側割れ目付近で地
熱域を確認しました。
 
 地殻変動観測では、火山活動によると考えられる特段の変化は認められま
せん。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、少ない状態で経過して
います。
 
 口永良部島では、火山性地震が多い状態となっていることから、今後の火
山情報に注意してください。
 
 火山性地震の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は
以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精査の結果、後日変
更することがあります。
            火山性地震  火山ガス(二酸化硫黄)
  4月26日       25回     40トン
    27日       15回     50トン
    28日       23回       -
    29日       21回     60トン
    30日15時まで  15回       -
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5月3日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。