火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第16号 令和3年2月22日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 2月19日から22日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震は、少ない状態で経過して います。火山性微動は観測されていません。 新燃岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上30mまで上がりました。 19日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量 は検出限界未満(前回2月4日、100トン)でした。また、新湯温泉付近 から実施した現地調査では、火口西側斜面の割れ目付近で引き続き噴気や地 熱域を確認しましたが、特段の変化は認められませんでした。 傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示す基線で 、2019年7月頃から縮みが続いていましたが、2020年11月頃から 停滞しています。 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、2020年12月18日から 増加しその後多い状態となりましたが、2021年1月に入りわずかに減少 し、2月以降は少ない状態で経過しています。また、火山ガス(二酸化硫黄 )放出量や地熱域の状況に特段の変化が認められないことから、噴火に至る 可能性は低くなりつつあると考えられます。 火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数 は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 2月19日 16回 20日 10回 21日 21回 22日15時まで 13回 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、26日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。