火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第14号
令和3年2月22日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 2月15日から22日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山性地震は概ね少ない状態で経過していますが、昨日
(21日)は19回と多い状態でした。震源は主に新岳火口付近の浅い所と
推定されます。火山性微動は観測されていません。
 
 新岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりました。
 
 16日及び18日に実施した現地調査では、引き続き、新岳火口西側割れ
目付近で地熱域を確認しました。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、少ない状態で経過して
います。
 
 GNSS連続観測では、島内の基線の伸びは2020年5月頃から停滞し
ていましたが、一部の基線でわずかな伸びの傾向がみられます。
 
 口永良部島では、火山性地震が時々増加していることから、今後の火山情
報に注意してください。
 
 火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日あた
りの放出量は以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精査の
結果、後日変更することがあります。
            火山性地震 火山性微動   火山ガス
                        (二酸化硫黄)
  2月15日        2回    0回     -
    16日        1回    0回   60トン
    17日        3回    0回     -
    18日        2回    0回   90トン
    19日        2回    0回   60トン
    20日        5回    0回     -
    21日       19回    0回     -
    22日15時まで   7回    0回     -
  
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、3月1日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。