火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第11号
令和3年2月1日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 口永良部島では、火山性地震は1月30日以降減少し、少ない状態で経過
しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山性地震が1月22日から増加し、多い状態になりま
したが、30日以降は減少し、少ない状態で経過しています。震源は主に新
岳火口付近の浅い所と推定されます。火山性微動は観測されていません。
 
 新岳火口では、1月29日以降、白色の噴煙が最高で火口縁上200mま
で上がりました。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、1月6日以降、少ない
状態で経過しています。
 
 GNSS連続観測では、島内の基線の伸びは2020年5月頃から停滞し
ていましたが、一部の基線でわずかな伸びの傾向がみられます。
 
 口永良部島では、時々地震回数に増加がみられ、火山活動に高まりがみら
れます。今後の火山情報に注意してください。
 
 1月29日からの火山性地震の発生状況は以下のとおりです。なお、地震
回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
            火山性地震 火山性微動   火山ガス
                        (二酸化硫黄)
  1月29日        7回    0回     -
    30日        2回    0回     -
    31日        1回    0回     -
  2月 1日15時まで   3回    0回    調査中
  
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、8日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。