火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第7号
令和3年1月22日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 1月18日から22日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震は、直近10日間に合計で
112回発生しており、少ない状態となっています。火山性微動は観測され
ていません。
 
 新燃岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上100mまで上がりました
。

 19日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測では
、新燃岳火口内の状況について特段の変化は認められませんでした。また、
火口西側斜面の割れ目において白色の噴気を確認しました。

 20日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は検出限界未満(前回2020年12月25日、検出限界未満)でした。
 
 傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。
 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示す基線で
、2019年7月頃から縮みが続いていましたが、2020年11月頃から
停滞しています。
 
 火山性地震の回数は増減を繰り返しており、火山活動がわずかに高まった
状態となっています。今後の情報に注意してください。
 
 18日からの火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです
。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
             火山性地震
   1月18日       11回
     19日       21回
     20日       12回
     21日       19回
     22日15時まで   8回

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。