火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第5号 令和3年1月15日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島では、火山性地震が増減しながら概ね少ない状態で経過してい ます。新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、火山性地震が増減しながら概ね少ない状態で経過してい ます。震源は主に新岳火口付近の浅い所と推定されます。 新岳火口では、11日以降、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上 がりました。 13日に実施した現地調査では、引き続き、新岳火口西側割れ目付近で地 熱域を確認しました。 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、概ね少ない状態で経過 しています。14日の観測では100トンでした。 GNSS連続観測では、地下の膨張を示唆する2019年10月頃からの 島内の基線の伸びは2020年5月頃から鈍化し、現在は停滞しています。 口永良部島では、地下の新たなマグマの蓄積はみられず、火山ガス(二酸 化硫黄)の放出量が減少傾向であることから、規模の大きな噴火の可能性は 低下していると考えられます。今後の火山情報に注意してください。 火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日あた りの放出量は以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精査の 結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 1月11日 4回 0回 - 12日 1回 0回 - 13日 8回 0回 - 14日 1回 0回 100トン 15日15時まで 3回 0回 調査中 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観 測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、18日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。