火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第121号 令和2年12月26日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 新燃岳では、12月18日から火山性地震が増加しており、火山活動が高 まった状態が継続しています。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、12月18日から火口直下を震源とする火山性地震が増加し 、24日は64回、昨日(25日)は56回、本日(26日)は15時まで に19回と多い状態が継続しています。 本日、新湯温泉付近から実施した現地調査では、火口西側斜面の割れ目付 近で、引き続き地熱域を確認しましたが、これまでの観測と比較して特段の 変化は認められませんでした。 噴煙の状況や傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示す基線で 、昨年7月頃から縮みが続いていましたが、今年11月頃から停滞傾向とな っています。 火山性地震が増加していることから、火山活動が高まった状態となってい ます。今後の情報に注意してください。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、27日(日)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。