火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第115号 令和2年12月4日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 11月30日から12月4日15時までの桜島の活動概況をお知らせしま す。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小 規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 桜島では、噴火活動が続いています。 南岳山頂火口では、12月2日11時55分に爆発が発生し、噴煙は火口 縁上1000mまで上がり、雲に入りました。弾道を描いて飛散する大きな 噴石は最大で5合目(南岳山頂火口より1000mから1300m)まで達 しました。 また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2日の現地調査では1日あたり25 00トン(前回11月24日、1300トン)と多い状態でした。 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま せん。 島内に設置している傾斜計及び伸縮計による地殻変動観測では、特段の変 化は認められていません。 GNSS連続観測では、2019年9月以降、姶良カルデラ(鹿児島湾奥 部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められています。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給、蓄 積が継続しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態が続いてい ることから、南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられます。 今後の火山情報に注意してください。 火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は 速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 爆発 11月30日 0回 0回 0回 12月 1日 0回 0回 0回 2日 2回 0回 1回 3日 0回 0回 0回 4日15時まで 0回 0回 0回 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため 注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生 する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、7日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。