火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第81号 令和2年8月31日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 新燃岳では火山性地震が概ね多い状態で経過しており、火山活動が高まっ た状態となっています。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、25日から増加していた火口直下を震源とする火山性地震は 、概ね多い状態で経過していますが、28日から次第に減少しています。火 山性微動は観測されていません。地殻変動観測に特段の変化はみられていな いことから、現在のところ規模の大きな噴火の可能性は低いと考えられます 。 火山性地震の回数は2019年11月以降増減を繰り返しています。また 、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量の増加や、火口西側斜面の割れ目におい て噴気や地熱域が認められるなど、火山活動が高まった状態となっています 。今後の火山情報に注意してください。 火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数 は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 8月26日 293回 27日 212回 28日 33回 29日 22回 30日 13回 31日15時まで 4回 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、9月4日(金)16時頃に発表の予 定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。