火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第75号 令和2年8月24日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 8月21日から24日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、火山活動のわずかに高まった状態が継続しています。 火口直下を震源とする火山性地震は、概ね少ない状態で経過しています。 火山性微動は観測されていません。 新燃岳火口では、白色の噴煙が火口縁上概ね100m以下で経過しました 。 21日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量 が1日あたり50トン(前回、8月7日、100トン)と引き続き観測され ています。また、新湯温泉付近から実施した調査では、火口西側斜面の割れ 目付近で引き続き噴気を確認しました。 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。 火山性地震の回数は2019年11月以降増減を繰り返しています。また 、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量の増加や、火口西側斜面の割れ目におい て噴気や地熱域が認められるなど、火山活動がわずかに高まった状態となっ ています。今後の火山情報に注意してください。 火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数 は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 8月21日 10回 22日 8回 23日 4回 24日15時まで 3回 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、28日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。