火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第62号
令和2年7月20日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 阿蘇山では、15日11時頃から火山性微動の振幅が時々やや大きくなり
ましたが、17日07時頃からは振幅が小さい状態で推移しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、火山性微動の振幅が中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振
幅で、15日11時頃から時々1.5マイクロメートル毎秒を超えていまし
た。17日07時頃から1分間平均振幅は低下しており、約0.5マイクロ
メートル毎秒で推移しています。
 
 中岳第一火口では17日以降、白色の噴煙が最高で火口縁上1000mま
で上がりました。
 
 本日(20日)実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は1日あたり600トンとやや少ない状態でした。
  
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線の伸びは停滞しています。
 
 阿蘇山では、噴火が停止し火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も減少してい
ますが、火山性微動の振幅は一時的に増大することがあります。今後の火山
情報に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、24日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。