火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第58号
令和2年6月26日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月22日から26日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南
岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な
火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、今期間に噴火が2回発生しました。噴煙は最高で火口
縁上1300mまで上がりました。監視カメラでは、噴火に伴う大きな噴石
は確認されていません。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が時々
発生しました。

 22日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり1000トン(前回8日、700トン)とやや多い状態でした。
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が長期的に多い
状態であることや、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供
給が継続していることから、今後も噴火活動が継続する可能性があります。
 
 火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は
速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
           火山性地震 火山性微動   爆発
  6月22日       3回    0回   0回
    23日       0回    6回   0回
    24日       2回    4回   0回
    25日      12回    4回   0回
    26日15時まで  4回    2回   0回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。