火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第39号
令和2年4月27日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 新燃岳では火山性地震が概ね多い状態で経過しており、火口周辺に影響を
及ぼす噴火が発生するおそれが高まっています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、4月20日から増加していた火口直下を震源とする火山性地
震は、24日以降やや減少していますが、概ね多い状態で経過しています。
 噴火が発生するおそれが高まっていますが、新燃岳近傍の傾斜計及びGN
SS連続観測のデータには、火山活動に伴う特段の変化は観測されていない
ことから、現在のところ規模の大きな噴火に至る可能性は低いと考えられま
す。
 
 新燃岳では、火山性地震が概ね多い状態が継続し、火山ガス(二酸化硫黄
)の放出量が増加しています。また、火口西側斜面の割れ目において噴気や
地熱域が継続して認められるなど、火山活動が高まった状態となっているこ
とから、今後の情報に留意してください。
 
 23日からの火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです
。火山性微動は観測されていません。なお、回数は速報値であり、精査の結
果、後日変更することがあります。
 
              火山性地震
   4月23日       105回
     24日        18回
     25日        42回
     26日        31回
     27日15時まで    6回

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5月1日(金)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。