火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第50号 令和2年4月27日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島では、ごく小規模な噴火が断続的に発生しています。新岳火口 から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及 び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新岳火口では、24日から25日にかけてごく小規模な噴火が発生しまし た。この噴火に伴う噴煙が、最高で火口縁上600mまで上がりました。大 きな噴石や火砕流は観測されませんでした。 引き続き、高感度の監視カメラで火映を観測しています。また、新岳火口 西側割れ目付近の地熱域にわずかな温度の上昇傾向がみられます。 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は多い状態で経過していま す。 GNSS連続観測では、島内の基線において、2019年10月頃からわ ずかな伸びがみられ、1月頃から明瞭な伸びとなっています。 火山性地震はやや多い状態で経過し、26日には口永良部島の西側のやや 深いところが震源と推定される、規模の小さな地震が1回発生しました。 これらのことから、今後噴火活動がさらに活発化し、2014年から20 15年に匹敵する活動に発展する可能性も考えられます。今後の火山情報に 注意してください。 4月24日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化 硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。なお、これらの値は速報 値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 4月24日 4回 0回 1600トン 25日 1回 0回 - 26日 6回 0回 - 27日15時まで 5回 0回 調査中 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観 測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量 が増加していることから、流下する火山ガスにも注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、5月1日(金)16時頃に発表の予 定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。