火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第44号 令和2年4月10日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島では、ごく小規模な噴火が断続的に発生しています。新岳火口 から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及 び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新岳火口では、ごく小規模な噴火が断続的に発生しています。6日以降、 灰白色の噴煙が最高で火口縁上900mまで上がり、雲に入りました。噴火 に伴う大きな噴石や火砕流は観測されていませんが、風下側では降灰が確認 されています。 8日から10日にかけて実施した現地調査では、新岳の地熱域に特段の変 化は認められませんでした。 6日に火山性地震が増加し、その後はやや多い状態で経過しました。火山 性地震の震源は、主に新岳火口及び古岳火口付近の浅い場所と推定されます 。噴火に伴う火山性微動を時々観測しました。 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は多い状態で経過していま す。 GNSS連続観測では、島内の基線において1月頃から伸びがみられます 。 4月6日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫 黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。なお、これらの値は速報値 であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 4月 6日 17回 6回 3200トン 7日 2回 0回 1600トン 8日 6回 1回 1200トン 9日 5回 0回 1100トン 10日15時まで 4回 0回 1200トン 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観 測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。 口永良部島では、噴火活動が継続しています。今後の火山情報に注意して ください。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量 が増加していることから、流下する火山ガスにも注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、13日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。