火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第32号
令和2年3月6日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、活発な火山活動が継続しています。新岳火口から概ね2
kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に
警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島の新岳火口では、3月2日以降白色の噴煙が最高で火口縁上1
200mまで上がりました。
 
 3月5日及び6日に実施した現地調査では、新岳の地熱域に特段の変化は
認められませんでした。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、4日は700トン、5
日は1000トンと多い状態です。
 
 火山性地震は3月2日以降減少していますが、引き続き多い状態です。
 
 GNSS連続観測では、島内の基線で2019年10月頃からわずかな伸
びの変化がみられています。
 
 3月2日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫
黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。なお、地震回数は速報値で
あり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
                火山性地震 火山性微動  火山ガス
                           (二酸化硫黄)
 3月 2日            46回    0回   -
    3日            40回    0回   -
    4日            17回    0回  700トン
    5日            12回    0回 1000トン
    6日15時まで        3回    0回   -
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。
 
 口永良部島では、活発な火山活動が継続していますので、今後の火山情報
に留意してください。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。