火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第14号
令和2年2月14日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 2月10日から14日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南
岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な
火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、噴火が10回発生し、このうち4回が爆発でした。1
0日01時26分の爆発では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が、南岳山
頂火口より南東方向に、最大でおよそ1800m(3合目)まで飛散しまし
た。同火口では高感度の監視カメラで夜間に火映を観測しました。
 
 10日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり2800トン(前回1月31日、4700トン)と引き続き多い状態
でした。
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆる
やかな変動がみられています。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は噴火に伴って発
生しました。
 
 2月10日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりで
す。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります
。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
  2月10日       17回   27回   1回
    11日       28回   38回   0回
    12日       14回   19回   1回
    13日       18回   28回   1回
    14日15時まで  10回   26回   1回
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が多い状態であ
ることや山体膨張と考えられる地殻変動がみられていることから、今後も活
発な噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、17日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。