火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第20号 令和2年2月10日16時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島では、昨日(9日)20時頃から火山性地震が増加し、多い状 態が続いています。 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、昨日(9日)20時頃から火山性地震が増加し、本日( 10日)15時現在も多い状態が続いています。火山ガス(二酸化硫黄)の 1日あたりの放出量は、9日は1100トンでしたが、本日は600トンと 減少しました。 新岳火口では、昨日、ごく小規模な噴火が発生しました。 2月7日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫 黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、精 査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 2月 7日 15回 0回 - 8日 4回 0回 - 9日 54回 0回 1100トン 10日15時まで 242回 0回 600トン 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観 測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。 GNSS連続観測では、島内の基線で2019年10月頃からわずかな伸 びの変化がみられています。 火山性地震が多い状態となり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増減し ており、火山活動に変化が認められます。これらのことから、2月3日に発 生したような、大きな噴石や火砕流を伴う噴火の可能性がありますので、今 後の火山情報に留意してください。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、12日(水)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。