火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第8号
令和2年1月20日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態で経過して
います。
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島の新岳火口では、ごく小規模な噴火が1月17日16時59分
から本日(20日)10時30分まで継続しました。期間中、灰白色の噴煙
が最高で火口縁上300mまで上がりました。

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、11日の噴火発生以降、1日あたり
600トン以上と多い状態で経過しています。

 火山性地震は、やや多い状態で経過しており、火山性微動は観測されてい
ません。

 1月17日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化
硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、
精査の結果、後日変更することがあります。

            火山性地震 火山性微動  火山ガス
                        (二酸化硫黄)
  1月17日        2回    0回  900トン
    18日        5回    0回  600トン
    19日        6回    0回 1000トン
    20日15時まで   4回    0回   調査中

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。

 GNSS連続観測では、島内の基線で2019年10月頃からわずかな伸
びの変化がみられています。

 口永良部島では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態が継続して
いることから、今後も噴火の可能性がありますので、火山情報に留意してく
ださい。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、24日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。