火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第130号 令和元年12月27日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が、やや多い状態で経 過しました。 23日から24日にかけて実施した現地調査では、新岳の地熱域に特段の 変化は認められませんでした。 火山性地震は概ね少ない状態で経過しています。24日19時23分に新 岳火口付近の浅いところを震源とする規模の大きな地震(山麓で体に感じな い程度)が発生しました。 新岳火口では、23日以降、白色の噴煙が最高で火口縁上400mまで上 がりました。 23日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄 )の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、精査 の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 12月23日 7回 0回 300トン 24日 4回 0回 500トン 25日 5回 0回 - 26日 3回 0回 - 27日15時まで 1回 0回 - 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都 大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観 測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。 GNSS連続観測によると、2018年7月頃から停滞していた島内の基 線にわずかな伸びの変化がみられます。 口永良部島では、火山性地震が時々増加し、火山ガス(二酸化硫黄)の放 出量も時々多い状態で経過するなど、火山活動が高まった状態が続いていま す。今後の火山情報に留意してください。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、30日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。